文系・初学者向け電験3種 合格マニュアル|独学でも最短合格する勉強法とは

電験3種(第3種電気主任技術者)は、全国で年間5〜6万人が受験する人気の国家資格です。

電気設備の保守・点検・運用を行うために必須の資格であり、取得すれば就職・転職・昇進・副業など多くの場面で強力な武器になります。

▼電験3種を取得するメリット▼

【令和7年度 上期版】電験3種の試験概要と資格を取得するメリットについて
令和7年度 上期(筆記)試験は、2025年8月31日です。

しかし、電験3種は決して簡単な試験ではありません。

合格率は例年およそ9〜10%前後。

CBTが導入され、電験3種が易化したといっても20%程度と依然と低い合格率。

しかも4科目すべてに60点以上を取る必要があります。

試験範囲も広く、「どこから勉強を始めればいいかわからない」と感じる文系・初心者の方も少なくありません。

この記事では、電験3種を独学で最短合格するための全ステップを、初めて挑戦する人にもわかりやすく解説します。

単なる勉強法の紹介だけでなく、参考書選び・学習計画の立て方・苦手分野克服法など、実践的なノウハウを網羅しています。

ぜひ、最後まで読んでください。

電験3種とは?【初めて受験する方への基礎知識】

まずは試験の基本情報から見ていきます。

  • 受験資格:年齢・学歴・実務経験を問わず、誰でも受験可能
  • 試験科目:理論・電力・機械・法規(全4科目)
  • 合格基準:各科目60点以上(満点100点)
  • 科目合格制度:合格科目は翌年度以降も有効
  • 試験方式:CBT方式(パソコンで受験)導入済み

そう、電験3種の特徴は、誰でも受験できること。

文系の方も受験でき、誰にでも合格のチャンスがあります。

筆記試験は一斉試験、CBT試験はパソコンを使った試験で、自由に試験日を決めることができます。
参考電験3種 筆記試験とCBT試験の違い

科目合格制度がある

電験3種は、試験は年2回(上期・下期)実施され、4科目合格で資格取得となります。

科目合格制度があるため、1〜2科目ずつ合格を積み上げる戦略も有効です。

科目合格制度とは、3年以内に4科目を合格すれば資格取得となる制度。
合計6階の試験で4科目に合格すればOKです。
多くの方が科目合格制度を利用し、自分のペースで勉強を進め、電験3種の合格を手にしています。

科目別の対策

では、科目別の対策を見ていきましょう。

理論

電験3種で一番重要な科目です。

電気数学・直流回路・交流回路・電子理論など基礎的な内容が中心で、他科目の理解にも直結します。

最初に取り組むべき科目です。

理論の勉強方法

電力

発電所の種類(火力・水力・原子力・再生可能エネルギー)、送電線の構造、変電設備などが問われます。

暗記中心ですが、計算問題も出題されます。

機械

変圧器・同期機・誘導機・直流機・パワーエレクトロニクスなど範囲が広く、初心者が苦手にしやすい分野です。

理解が浅いと点数が安定しません。

機械で挫折する人が多いです。

法規

電気事業法・電気設備技術基準・保安規程などの法律と、それに基づく計算問題(短絡電流・電圧降下など)が出題されます。

暗記だけでなく計算力も必要です。

初めて受験する方が陥りやすい失敗パターン

独学で挑む場合、以下のような失敗パターンにハマる人が多いです。

  • 参考書を買いすぎて迷子になる:複数冊を同時進行で使うと、知識が分散して定着しません。
  • 基礎を飛ばして応用問題に挑む:数学・物理の基本が理解できていないと、回路計算や法規計算が解けません。
  • 苦手科目を避け続ける:特に「理論の苦手分野」を後回しにすると、直前期に大きな負担になります。
  • 過去問を解くだけで復習しない:解きっぱなしでは力がつきません。間違えた原因分析が必須です。

これらを避けるためには、次に紹介する5ステップ学習法を実践するのが効果的です。

独学でも合格できる5ステップ

ステップ1:全体像を把握する(1〜2日)

まずは試験の範囲と傾向をざっくり理解します。

過去問を数年分パラパラと眺め、「自分がどこまで知っているか」を把握しましょう。

この時点で完璧に理解する必要はありません。

また、要点をまとめた重要公式集を活用すれば、より受験戦略を立てやすくなります。

\まずは、この1冊! 概要が分かる重要公式集/

ステップ2:基礎固め(1〜2ヶ月)

もしも数学、物理に自信がないなら、基礎固めをしてください。

数学といっても、分数の計算や複素数などです。

微分・積分などは電験2種以上の話。

基本的な四則演算ができることならば、いきなり過去問を解き始めましょう。

基本がわかっているならば、基礎固めの1~2ヶ月は短縮できます。

ステップ3:過去問演習(3〜4ヶ月)

最新10回分を最低2周します。

最初は解けなくてもOK。

解説を読みながら理解を深め、間違えた問題には付箋や印をつけておきます。

2周目以降は「間違えた問題だけ」を重点的に解き直します。

最初に取り組む過去問は、最新10回分で十分です。
あまり多くの過去問を解いても頭の中が追いつきません。
解説が丁寧な過去問解説で、最新10解を丁寧に解く。これが最も合理的です。
参考過去問は何年分解けばいい? 初学者が最初に取り組むべき年数と理由

\解説が丁寧な、理論!/

同時に、苦手分野もリストアップしておきましょう。

ステップ4:苦手科目の集中補強(1〜2ヶ月)

ここまでくると、苦手分野も定まってくるはず。

リストアップしている苦手分野を、専用の参考書で対策していきましょう。

ステップ5:模試・総仕上げ(1ヶ月)

本番と同じ時間で模試を解き、時間配分を確認します。

模擬試験としては、まだ解いたことがない電験3種の試験問題を使うのも効果的です。

勉強時間の目安とスケジュール例

文系・未経験者なら500〜600時間が目安です。

理系経験者でも300〜400時間は必要です。

あくまで一般的な勉強時間です。
受験する方の持っているキャリアの背景によっても、個人差があります。
場合によっては1000時間程度必要な場合もあります。

では、勉強時間500時間を確保するには、どれぐらいの期間が必要になるでしょうか。

以下は、一例ですが、電験3種の合格までには時間がかかります。

少なくとも半年以上、じっくり取り組む姿勢が大切です。

例1:半年〜8ヶ月で合格を狙う場合

  • 平日1時間、休日3時間の学習
  • 月間約80時間 → 6〜8ヶ月で500時間達成

例2:1年〜1年半で合格を狙う場合

  • 平日30分、休日2時間の学習
  • 月間約40時間 → 12〜15ヶ月で500時間達成
大事なのは、電験3種を受験する日から逆算すること。
(いつ取得したいかを明確にする。)
そして、毎日の習慣に組み込むことで、無理なく継続できます。

独学で電験3種に合格するために

では、独学で電験3種に必要なことを列挙します。

  • 勉強時間は朝・通勤・昼休みなど隙間時間を活用
  • アウトプット重視で過去問や練習問題を繰り返す
  • 間違えた問題は「なぜ間違えたか」を必ず分析

このように、すき間時間を活用することで、勉強時間を確保します。

しかし、独学の最大の敵は「モチベーションの低下」です。

苦しくなった時には、60点取れば合格であると自分に言い聞かせ、何が何でも頑張ってください。

昨日の頑張りの先に、今がある。

今の頑張りの先に明日がある。

その先には合格が必ずある。

だから、絶対にあきらめない。

が、電験3種に合格する上で一番大切なことです。

まとめ

電験3種は決して楽な試験ではありませんが、正しい方法で学べば独学でも十分合格可能です。

まずは理論から基礎を固め、過去問を繰り返して知識を定着させましょう。

苦手分野は早めに克服し、試験直前期には総仕上げに集中することがポイントです。

もっと試験勉強について知りたい方は、電験3種の試験対策を参考にしてください。

まとまった勉強時間を取るのが難しい方は、時短勉強法も組み合わせてください。
参考勉強時間がない社会人でも合格できる時短勉強法10選
タイトルとURLをコピーしました